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病気解説

骨粗鬆症:-DEXA(デキサ)骨密度測定装置― 

骨粗鬆症は骨が弱くなるために骨折リスクが増加する疾患です。骨の硬さを測定する装置には色々なものがあるのはご存じでしょうか。今回は骨密度測定装置について解説します。

 

【ガイドラインで勧められている測定装置は?】

骨粗鬆症の治療ガイドラインでは骨密度が成人の70%を下回ると骨粗鬆症の治療が進められています。この治療のガイドランで奨励されている骨密度装置は脊椎と大腿骨を同時に測定できるDEXA(デキサ:DXAとも書く)骨密度測定装置です。国内外の研究や論文でもDEXA法を一般に用いています。

 

【DEXA法の特徴】

DEXA法は2つの異なるエネルギーのX線をあてることにより、脂肪などの余分な軟部組織を排除し、より正確な骨密度を測定することができます。この他の測定方法には、手のX線写真を測定し陰影濃度から骨量測定を行うMR法や、踵の骨に超音波をあてて骨量測定を行う超音波法があります。当院では脊椎と大腿骨の骨密度を同時に測定できるDEXA骨密度測定装置を2022年に導入しました。

 

 

脊椎と大腿骨を同時に測定するメリット

脊椎と大腿骨の骨密度を測定するメリットは、脊椎と大腿骨の骨密度が減少する割合は一人一人異なるためです。骨粗鬆症の治療開始は脊椎と大腿骨の骨密度の低い方で判断します。一般には大腿骨の骨密度の方が脊椎のより低い事がおおいですが、中には脊椎の骨密度の方が低くなる患者さんもいます。次に示す患者さんの骨密度は脊椎が56%で、大腿骨が67%となり、脊椎の骨密度が低い値がでています。

 

 

【撮影時間と撮影費用】

骨密度の測定時間は約6分程度です。費用は保険の1割負担で450円、2割負担で900円、3割負担で1,350円です。

 

【院長より一言】

女性では閉経後に骨密度が急速に減少します。骨密度の減少は自覚症状を伴わないので全くわかりません。骨密度の減少が軽度であれば、食事の改善や、日光浴、運動なので維持することが可能です。一方で、骨密度が70%以下であれば、治療薬の開始になります。当院では、より正確に測定するためにガイドラインで奨励されているDEXA骨密度装置を導入ました。まずは、骨密度を測定して、骨折リスクを判断しましょう。